神事と伝統芸能
三熊野神社大祭の核心は、神前で捧げられる神事と伝統芸能にあります。 特に、本楽(日曜日)に奉納される「地固め舞」と「田遊び」は、平安末期から鎌倉時代へと続く農耕儀礼の面影を色濃く残すものとして、静岡県指定無形民俗文化財に指定されています。
地固め舞(じがためまい)
神輿が御旅所から還御した際、拝殿前の舞屋において、西大渕(み組)の青年たちによって奉納されます。
天下泰平、五穀豊穣を祈り、大地を鎮め固める舞です。
「千代(ちよ)の舞」「聖(ひじり)の舞」「三代(さんだい)の舞」などが、笛と太鼓の音色に合わせて古式ゆかしく舞われます。
徳川家康公が横須賀城を拠点とした際、戦勝祝いとして舞わせたのが始まりとも伝えられる、武家文化とも縁の深い舞です。
田遊び(たあそび)
地固め舞に続いて、今沢(いまざわ)の青年たちによって奉納される、一年の稲作工程を模した芸能です。
「田打ち」から「田植え」までの農作業を、古風な歌と所作で演じ、豊作を祈願します。
実際に生きた馬(神馬)が境内に登場し、疾走する場面は、古来の神事の躍動感を今に伝えています。
神子抱き(みこだき)
本楽の日曜日、神輿が御旅所(おたびしょ)に渡御した際に行われる、安産・子授け祈願の神事です。
氏子の幼児を「神子(みこ)」として、安産を願う参拝者が抱くことで、三熊野神社の御祭神(安産の神)の御加護をいただくものです。
この神事に合わせ、町内には「おねんねこさま」と呼ばれる独特の安産守護の人形が飾られる風習があります。
