三熊野神社大祭とは

三熊野神社大祭とは

三熊野神社大祭は、13基の祢里が町を練り歩く祭りです。

三熊野神社大祭は、静岡県掛川市・遠州横須賀で毎年4月に行われる伝統的な祭りです。13基の祢里が町を巡行し、江戸時代から続く文化と町衆の熱気が今も受け継がれています。

この祭りの特徴は、祢里と呼ばれる山車と、それを支える町衆の存在にあります。
豪華な装飾が施された祢里が町を練り歩き、囃子や掛け声とともに、独特の賑わいを生み出します。

は組の祢里と町衆

三熊野神社大祭は、賑やかな行事であると同時に、神社の神事としての側面を持っています。
神輿の渡御やさまざまな儀式が行われ、地域の信仰と深く結びついた祭礼として受け継がれてきました。

神輿渡御では神様が神社を出発し、御旅所へと 向かいます。その行列に13基の祢里が供奉し、 町全体が祭り一色に染まります。華やかな 曳き廻しの裏側に、こうした厳かな神事が あることが、この祭りに深みと格式を与えています。

三熊野神社は701年(大宝元年)、文武天皇の皇后が皇子(後の聖武天皇)誕生の折に熊野本宮をこの地に祀ったことが起源とされています。子授け・安産・縁結びの神として広く信仰され、境内には県指定の文化財も多く残っています。

祭りの起源は少なくとも江戸時代の1690年頃(元禄年間)にまで遡ります。その後、横須賀藩主が江戸の神田祭・山王祭の文化をこの地に伝えたことで、現在の形が生まれたといわれています。

家臣たちが江戸で習得したと伝わる祭囃子は「三社祭礼囃子」として今に受け継がれ、1955年には静岡県指定無形民俗文化財の第1号に認定されました。300年以上の時を超えて受け継がれてきたこの祭りは、今も横須賀の町の誇りです。

三熊野神社大祭は、祢里の迫力だけでなく、音や芸能、そして神事が一体となって作り上げられる祭りです。
そのすべてが重なり合うことで、他にはない独特の魅力が生まれています。

三熊野神社大祭では、祢里行事・囃子・神事芸能の3件が静岡県の無形民俗文化財に指定されています。

名称区分指定
三社祭礼囃子県指定 無形民俗文化財1955年11月1日
三熊野神社の地固め舞と田遊び県指定 無形民俗文化財1989年3月22日
三熊野神社大祭の祢里行事県指定 無形民俗文化財(風俗慣習)2025年4月15日告示

祢里行事の保持団体は、遠州横須賀三熊野神社祭礼保存会です。

祢里行事は2019年3月28日、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」にも選ばれています。これは国が記録の作成を勧める制度で、国の指定(重要無形民俗文化財)とは異なります。

※出典:静岡県「しずおか文化財ナビ」、静岡県告示第320号、文化庁「文化遺産オンライン」